基礎から学ぶ高校物理(力学編)-4
基礎から学ぶ 高校物理 (力学)
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1章 物体の運動
1-1 速さ
(3)速度
速度は向きと大きさをもつので,ベクトルとなります。加速度や力なども向きと大きさをもつのでベクトルで表されます。速度などのベクトルは矢印を付けて表します。速度は上に矢印を付けて,のように表されます。矢印を省略することもあります。
○平均の速度・瞬間の速度
電車の速度について考えてみましょう。$A$町の位置$x_A$,時刻$t_A$から$B$町の位置$x_B$,時刻$t_B$へ移動した場合,平均の速度は次のように表されます。
$|\overrightarrow{v}|=\dfrac{x_B-x_A}{t_B-t_A}$
電車の速度は速度0から瞬間的に平均速度になるわけではありません。徐々に加速して速度をあげていき一定の速度となります。このため,ある瞬間ごとに,電車の速度は変化しています。
図4に速度の変化と,ある瞬間$t_0$での速度について示しています。$t_0$での瞬間の速度は,$t_0$における接線を引いたときの,接線の傾きになります。