基礎から学ぶ制御工学-29
基礎から学ぶ制御工学
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7.PID制御
化学プラントなどで、流量、温度、圧力、タンクのレベルなどのプロセス制御においては、古典的なPID制御が一般的である。実績値の検出をセンサで行い、目標値と比較して偏差をとることにより、この偏差を小さくしていく制御である。このPID制御は経験的にパラメータを調整することができ、これらの理由から現場では良く用いられている。
制御系の設計を行うために必要なことは、
(1)安定であること
(2)定常偏差がないこと
(3)応答が速く、オーバーシュート量が小さいこと
(4)制定時間が短いこと
などがあげられます。これらの制御系の設計指針を満足する、コントローラーの設計が求められます。
7.4 PID制御(比例・積分・微分制御)
比例、積分、微分制御のゲインをうまく調整することによって、低周波域で定常特性を改善し、高周波域で速応性を高めることができます。
$C(s)=K_p \left(1+\dfrac{1}{T_I s}+T_D s \right)$
こららのことから、PID制御のコントローラーは式(7.4.1)のように決まっています。よって、$K_P$、$T_I$、$T_D$を決める方法が重要となってきます。