GO-AHEADの日記

GO-AHEADで出版した書籍の紹介をします

基礎から学ぶ制御工学-28

基礎から学ぶ制御工学

amazon kindleを出版しました。


6.3 ボード線図

(3)1次遅れ系のボード線図

 1次遅れ系の伝達関数
$G(s)=\dfrac{K}{Ts+1}$

これを、周波数伝達関数にすると、
$G(j \omega)=\dfrac{K}{j \omega T+1}$・・・(6.2.13)

ゲインは大きさなので、絶対値をとると次式のように表されます。
$\vert G(j \omega) \vert=\vert \dfrac{K}{\sqrt{(j \omega T+1)(-j \omega T+1)}} \vert=\dfrac{K}{\sqrt{ (\omega T)^2+1}}$・・・(6.2.14)


位相遅れは、次式のように角度を求めます。
$\angle G(j \omega)=\angle \dfrac{K}{j \omega T+1}=\angle 1-j \omega T $・・・(6.2.15)

 図6.1.17に一次遅れ系のゲイン曲線と位相曲線を示します。ゲイン曲線で示す点線を伸ばすと、ちょうどω=1で交わります。この周波数を折点周波数と呼びます。この周波数のとき3[dB]減少しています。同図(b)に示す位相曲線での折点周波数のときの位相遅れは-45°となります。この45°のときの傾きを伸ばしていくと、折点周波数の0.2倍と5倍のところと交差します。ゲイン曲線も位相曲線も、この点線のように折点近似が可能となります。

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