基礎から学ぶ制御工学-23
基礎から学ぶ制御工学
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5.3 ステップ応答
制御でよく用いられる入力は、ステップ入力です。ステップ入力は次式で示すように、時刻0で1となる入力を与えるものです。
$u_s(t) ={\left\{\begin{array}{l} 1 (t \geqq 0) \\0 (t \lt 0)\end{array}\right. }$・・・(5.3.1)
1となるので、ラプラス変換すると、次式のように表されます。
$U(s)=\dfrac{1}{s}$・・・(5.3.2)
1次遅れ系の伝達関数を次式のように表します。
$G(s)=\dfrac{K}{Ts+1}$
逆ラプラス変換をすると、
$y_i=L^{-1} \left[ \dfrac{K}{Ts+1} \cdot \dfrac{1}{s} \right]=K L^{-1} \left[ \dfrac{1}{s}-\dfrac{1}{s+\dfrac{1}{T}} \right]=K \left( 1-e^{-\frac{t}{T}}\right)$ ・・・(5.3.3)
ステップ応答を求めることによって、
・応答の速さ
・定常特性
が主に分かります。
図5.1.4に、$T=1$、$K=1$としたときの1次遅れ系のステップ応答を示します。
また、1次遅れ系のステップ応答の波形をとることによって、1次遅れ系の係数$T$、$K$を求めることができます。