基礎から学ぶ制御工学-13
基礎から学ぶ制御工学
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4. ブロック線図
4.1 ブロック線図の基本要素
ブロック線図は図のように基本的に,「入力 → 要素 → 出力」となっており,要素は微分方程式をラプラス変換したものになっています。このラプラス変換された入力→出力の関係である,各要素を一つにまとめ伝達関数とすると,入力に対する,出力の挙動が分かり,安定性などが計算できます。システムの動作や安定性を数学的に判断するため,ブロック線図を図のように一つにまとめます。
ブロック線図は制御の流れを表す図です。基本的なブロック線図の要素は,図1に示すように3つあります。矢印は信号の流れを表しています。
(a)の伝達要素に示すように,入力$x$,出力$y$,伝達要素(伝達関数)を$A$とすると
$y=Ax$ ・・・(4.1.1)
の式で表されます。
制御では入力変数を$u$を用いることが多いですが,ここでは$x$を用います。
(b)の引き出し点は,●で表し,●の出力は(b)の引き出し点は,●で表し,●の出力は
$y_1=x$ ・・・(4.1.2)
$y_2=x$ ・・・(4.1.3)
で表すことができ,●の出力と入力は同じとなります。
(c)の加え合わせ点は,○で表し、○の出力は
$y=x \pm z$ ・・・(4.1.4)
となります。