GO-AHEADの日記

GO-AHEADで出版した書籍の紹介をします

基礎から学ぶ制御工学-10

基礎から学ぶ制御工学

amazon kindleを出版しました。


3.3 ラプラス変換
 3.3.1 ラプラス変換の基礎理論

 ラプラス変換微分方程式を代数的に解いていく方法で,ラプラス変換表を用いることによって比較的簡単に解くことができる方法である。

 時間$t>0$で定義された関数$f(t)$に対して,$s$を複素数として,

$F(s)=\displaystyle{\int_0^{\infty} f(t) e^{-st} dt}$・・・(3.1.1)

積分で定義される$s$の関数$F(s)$を$f(t)$のラプラス変換という。

$L[]$:ラプラス変換の記号とします。


(1)線形性

$L[af(t)+bg(t)]=aF(s)+bG(s)$・・・(3.1.2)

(2)微分

$L[f'(t)]=sF(s)-f(0)$・・・(3.1.3)

$L[f^{(2)} (t)]=s^2 F(s)-s f(0)-f'(0)$・・・(3.1.4)

$L[f^{(n)} (t)]=s^n F(s)-s^{n-1} f(0)-s^{n-2}f'(0)-\cdots-f^{n-1}(0)$・・・(3.1.5)

(3)積分

$L \left[ \displaystyle{\int_0^{t} f(x)  dx}\right]=\dfrac{1}{s} F(s)$・・・(3.1.6)

(4)推移

$f(t-a)=0   (0<t<a)$

  ただし,$L[f(t-a)]=e^{-as}F(s)$   ・・・(3.1.7)


(5)初期値定理

$\displaystyle{\lim_{t \to 0}f(t)=\lim_{s \to \infty}s F(s)}$・・・(3.1.8)


(6)最終値定理

$\displaystyle{\lim_{t \to \infty}f(t)=\lim_{s \to 0}s F(s)}$・・・(3.1.9)